苫小牧地区サッカー協会

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2025.07.07

【第3回】リスペクト&フェアプレー

国際サッカー連盟(FIFA)が設けた大会ごとのフェアプレートロフィー。
その第一回受賞者は1968年メキシコオリンピックの日本代表であった。
受賞の大きな理由はピッチ内外での模範的な行動を受けてのものである。
その後も日本は数多くのフェアプレー賞を獲得するもののチャンピオンズトロフィーを獲得するには遠く、フェアプレー賞ホルダーと揶揄されることもあった。
その後年月をかけて、なでしこジャパンがU17・U20・フル代表とすべてのカテゴリーのワールドカップで優勝とフェアプレー賞を同時に獲得するという大偉業を達成する初めての国となり私たち日本人にとって世界に誇れる大きな偉業である。

4月にTOMASEIフットボールフィールドで行われたJA全農杯IN北海道の表彰式において特別協賛社であるJA全農の広報部長様のご挨拶の冒頭で全国9地域のうち北海道が最後となった。全国全て見てきたが、この大会は、ずば抜けてフェアーな大会であったとのお言葉をいただいた。
5年連続で大会主管地区となり北海道サッカー協会の越山会長からもJA全農杯の聖地と称された苫小牧開催大会。
全国大会出場をかけた真剣勝負の場、当然ながら選手・指導者はもとより保護者が中心のサポーターにも熱がこもる!
大会運営責任者の私としても、より良い大会のサポートのために全運営役員に向けリスペクト・フェアープレーを引き出す環境つくりに全力を注ぐようお願いして大会に臨んだ。
綺麗に整理された空間を汚すことには抵抗を感じるが汚く汚れた場所には平気でごみを散らかす環境となる。サッカーを取り巻く環境も美しく汚し辛い空間にしたい。

数試合を消化した時点で、ある審判員が本部で「今日はなんだか全体の雰囲気が良い」「微妙なジャッチに対してもベンチも紳士的に感じる」ギャラリーを背にしていたアシスタントレフェリーも「ギャラリーもそうだ」と話していたのが私の耳に入ってきた。
まだまだ何が起こるかわからないぞと思いながらも少し心が和らいだ。
その後も粛々と大会は進みコンサドーレ札幌とSSS札幌と札幌勢同士の顔合わせの決勝戦となり白熱した試合展開で見応え十分の試合だったが両チームともにリスペクト&フェアプレーにあふれる好感の持てる試合となった。

私たちの思いが大会全体をフェアーなものに出来たのかと言えば、決してそんなことはない。
当たり前だが出場チームの選手・スタッフ・サポーター、そしてレフェリー陣のリスペクト&フェアプレー精神が素晴らしかったからこその結果である。

私たちができることと言えば、本当に小さなことだけれども会場内をきれいに整頓するとか、運営スタッフが参加チームのスタッフや選手と笑顔で挨拶を交わすとかマッチミーティングの時にお互いリスペクト精神で頑張りましょうと笑顔で握手を交わすとか、ちょっとした気づきの提案、そういったことを積み重ねていくことしかない。
仲間がいなくては・相手がいなくては・レフェリーがいなくては・会場がなければ・大会運営者がいなくては大会は成り立たない。
当たり前のことだし誰もが知っていることだけれども、時々そんなことを忘れてしまってリスペクトに欠ける振る舞いをしてしまうことも無くは無い。
しかし一瞬我に返って大切なことに気づくためにも、リスペクト&フェアプレー溢れる環境・土壌つくりにみんなで取り組みたいと思う。

一昔前には指導現場でも相手選手のことを「敵」と表現したが、現代は「相手」と表現する、「敵」と「相手」では全然違う。
たかが言葉かもしれないが、見えるところから気づきを提供し続けることがリスペクト&フェアプレーの浸透への道と考える。

サッカーに関わる全ての人や物を大切に思う心、それがリスペクト。
心は目に見えないから、笑顔や挨拶や言葉、目に見えるものからみんなで!

苫小牧地区サッカー協会
理事長  野田 篤志

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